
斎藤治療院
斎藤 匡寿院長 |
私の治療院に来られると多くの方が皆同様に驚かれます。それは腰や膝を痛めている方でも、ベッドに上向きに寝て頂き、頭の横の側頭筋からマッサージを始めるからです。
次にあごの関節を押さえ、膝を曲げる運動をしてもらうと、「あっ!不思議、足が軽い!」。ものの5〜6分の間の出来事です。痛くなく安全で、しかも短時間で効果を出す、あごの不思議です。あごの治療に気が付いてからと言うもの「回復の見込みが無い」と診断された方が、改善されている現状を見て、あごの重要性を改めて痛感しています。
では何故あごが腰や膝なども含め、からだ全体の痛みや運動障害に効果があるのでしょう?
(1)人が立ち、痛みが生まれた。
首・肩・腰・膝などの痛みの原因として先ず考えられるのが「人間が立つようになったから」と言われています。鶴などの2本足動物は立ったまま眠り、休みます。人間はまだ充分に2本足動物の仲間入りをしていません。休息する時は、座ったり寝たりするからです。
(2)頭は奥歯で支える。
それは約10Kgの頭の重さ(=体重の約13%)が、からだ全体に多大な影響を与えているからです。そしてその大切な頭を支えている箇所は「首の骨の2点だけ」と説明されていました。しかし近年になって、奥歯(=親知らずでなく、7番目の大臼歯)の2点も関与している事が話題になってきました。
通常は首だけで支えていますが、より大きな力を出す時や、頭を固定したい時は奥歯を噛みしめます。つまり頭を、首の骨の2点と奥歯の2点 計4点で支えている事になります。確かに片側の奥歯が抜けると、時間の経過と共に首が傾いてきます。また、奥歯の高さが低いと首の後ろの筋肉が硬くなる事も証明されてきました。
2点で支えると言う事は「自転車」に乗っている状態であり、4点で支えると言う事は「自動車」に乗っている状態だという事です。奥歯を頭で支えられなくなると、2点や3点でバランスを取る事になり不安定になります。バランスが悪い・不安定だと、無駄な箇所に力が入るようになります。サーカスの綱渡りをしているかのように不安になり、緊張し、血液循環を悪くし、コリをつくる人が大勢います。
現代病とされている「自律神経失調症」や「不安神経症」もこれらの原因と関係があるように思われます。そして奥歯がついている所があごなので、あごの周囲の筋肉、及び咀嚼筋(そしゃくきん=物を食べるときに使う筋肉)に反映されます。
更にそれらの筋肉があごの関節に悪影響を与え、あごの位置異常=奥歯の位置異常を増長します。その結果、頭の重さが均等に下に伝わらず、支えられなくなり、体の不調和を引き起こしてくるのです。
(3)やじろ兵衛の原則
これは子供時代に粘土で作ったやじろ兵衛を思い起こすと、簡単に理解できます。
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バランスが整っているやじろ兵衛は、頭の中心に棒をさします。(左図)その棒を今度は頭の中央より右にさすと(右図)、やじろ兵衛は左に倒れます。
倒れないようにする為には、下でしっかりと棒を支えてなくてはなりません。この事を人間に当てはめると、足がフラフラしている人、足が痛い人は必ずしも足元だけに原因があるのでは無く、頭の中央=あごの位置のズレにも原因があるのではないか?と考えたのです。また逆に、顎関節の左右のズレを見つける時は、やじろ兵衛のバランスを取る時のように、フラフラしない位置、人間の場合で言えば、足が軽いあごの位置を見つけていったのです。
このようにして顎関節マッサージの手技が生まれました。やじろ兵衛の無理なく立つ位置が頭の中央のように、足が軽い位置があごの正しい位置、という新しい考えを元に、顎関節マッサージが生み出されたのです。
(4)あごの位置で足の重さが変わる。
このようにして歯医者さんでも定説がない正しい噛み合わせの位置、そして口腔外科でも難しいとされた顎関節の左右差の調整が、足の重さから導き出されるです。
人間が立つ事により生じた不都合を、あごの位置調整により緩和する事が出来るのです。それ故に、足・膝・腰などの痛みも、あごの調整が必要なのです。更に正しいあごの位置で生活すると、痛みだけでなく、便秘や胃腸などの内臓関係にも効果を出し、精神的ストレスなどの心理的面にも好影響を与えます。
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