| 顔面神経麻痺で受けられる方の多くは顎関節に問題がある場合が多く、また以前に鍼治療を受けられていた方が大半でした。脳の運動領の中でも”指と顔の表情筋は多くの領域を占める”と言われています。笑う・泣く・怒るなどの感情を表す時に使う筋肉なので、ストレスとも無関係ではなく、身体全体を緩める必要性があります。また「感情を噛み殺す」という語句が示すように、我慢する時に使われる側頭筋などの咀嚼筋とも関係が深く、顎関節症治療での経験を活かし、眼瞼=まぶたが自分の指を使って下げないと下げられない、口角が上がらない、口の中を噛んでしまう、顔半分の動きが悪く重い、などの様々な症状に対しての改善例があります。 また新しくつけられた診断名である舌痛症の男性や顔の左半分のしびれがある女性の例も下記に載せてあります。 |
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| 院長治療における通院経過を知って頂きたく、公表しました。しかし個人情報が含まれるために、個人を特定出来ないように仮名に致しました。今回はあくまでも治療経過を中心にした内容です。原因不明で苦しまれている方へのヒントとなって欲しいと思います。 |
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| 顔面神経麻痺 |
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| 佐藤 一樹さん。昭和55年生まれ。システムエンジニア。男性 症状 一年半前から開口時にクリック音が生じる。最初はクリック音の改善を希望として来院されるが、顎関節の治療をするうちに、顔面神経麻痺という症状を報告される。顔の右半分が麻痺しており、とくに頬骨部、鼻翼部の動きが非常に悪い。つねに重さがある。口角が動かない。そのような症状から大頬骨筋、小頬骨筋などの小頬骨筋群の違和感、さらに上唇鼻翼挙筋なども問題があるようで、右眼窩下部においても凝りのような重さを感じている。またこめかみ、側頭筋、咀嚼筋、咬筋にも大きな張りがある。右半分が重苦しいという症状が本来の症状として確認された。 治療法 9月14日。顎関節を左右にずらす癖があり、開口時クリック音がする。右顎関節が何か重苦しく開けにくい。首を左側屈、右捻転がやりにくい。一般治療によって開口が少し楽になる。 9月17日。開口は楽になっていた。口を外側に引くことと、目の瞬きに違和感を感じる。顎関節症はだいぶよくなったが顔面の違和感を訴える。 9月19日。右目を開けているのが辛い。右目が重たい。口元は右へ引くときに違和感が出る。右目を強く閉じようとしても60%くらいしか閉じない。口元左右に引く、右のみが動き左はほぼ動かない。目の重さ、口元の重さが顔面マッサージで半分近く減る。パソコン疲れとは関係ないということを報告されている。朝方は調子がよい。しかし、夕方、夜になると辛くなる。このときはパソコンと関係ないということであったが、辛くなる過程を見るかぎり仕事のしすぎと漫画の読みすぎに原因があると思われる。 9月23日。この日から顔面マッサージのみの治療とする。治療時間40分のところ30分という形で顔面マッサージをする。 10月1日。30分の顔面マッサージをする。右首の痛みは左口内炎で右噛みを多くしたせいによることが考えられる。 10月8日。顔の張り、とくに唇の上、頬、側頭部、眼瞼、顎二腹筋などのマッサージによって顔の張りが減ってくる。 10月15日。30分で顔面マッサージをしたものを、馴れてきたので40分治療に戻す。顔面を多少、強圧によってほどこす。次回、どのように変化するかを調べる。 10月22日。40分治療。口唇まわりが動くようになる。前回の強い顔面マッサージが効果を出す。今までマクラを使用しなかったことからくる首の張り、横向きでの首の張りをマクラを使用することで減らす。右側の顎関節周囲の違和感をマッサージでとる。口角を外側に引っ張る、口角を開けることが楽になる。 10月29日。目を上に向ける動作をすることによって顔面が痛くなっていたが、それがとれてきたと報告を受ける。目の周囲も楽になる。口角を横に、そして上げることが楽になる。その結果、開口が楽になる。口角挙上筋が楽になる。 11月5日。目の周囲の重さは残るが、それでも前にまして楽になる。顎のまわりはまだ麻痺したような感覚が残っている。 11月12日。大小頬骨筋マッサージを施す。口角挙上筋が楽になる。さらに頬を上げる練習を施す。 11月19日。口角を上に上げる練習をする。全体的に楽になっている。 11月26日。顔を動かしてもらう検査を止め、楽な状態のままで顔のマッサージを施す。目を上に向ける練習を開始する。顔面の痛みがなくなり、順調なので目を上に向ける練習を開始する。 12月22日。一カ月近く来院されなかった。そのため首が痛く、上を向くと右顎関節が痛くなってしまっていた。右咬筋の硬結が再発し、顎関節緩和法を指導する。少し口を開けたままその状態でゆるめる方法をとる。 翌年1月14日。開口しにくくなってしまった。そのため再度、30分の顔面マッサージをする。開口がしやすくなる。 1月21日。本日はほぐれやすく、顔面全体、とくに右だけでなく左側もマッサージをほどこす。 2月4日。頬骨下縁マッサージによってひじょうに楽になる。ついで咬筋マッサージ、側頭筋など咀嚼筋をマッサージすることによって開口が非常に広がり、楽になる。 2月11日。頭のマッサージを長く施し、前頭部、眉毛の付近の硬結をマッサージする。また鼻涙管マッサージなど顔面の目、眉、側頭筋などに重点をおいたマッサージによって非常に楽になる。 2月16日。頬骨丘付近が重たい。乳様突起マッサージで楽になる。 3月1日。土・日もなく働いたので右首が張っている。乳様突起マッサージで首の辛さもとれる。このときは、顔面マッサージのみでなく、座位マッサージで上半身を施す。その結果非常に楽になる。 3月4日。顔面の違和感がだいぶ楽になり、しかし首の辛さがあるので座位の首のマッサージをほどこす。雄牛のポーズも両側可能となり、背中のバランスもとれてきた。 3月18日。首の痛みが出ている。前回と同じように胸鎖乳突筋マッサージによって楽になる。また頬骨のあたりのマッサージによって顔面も楽になる。 3月27日。首および顎の開口に違和感があったので胸鎖乳突筋マッサージと顔面マッサージをていねいに施す。 4月3日。顎関節の違和感が感じられる。顎ストレッチをしたあと顔面マッサージによって硬くなった部分を取り除き、側頭部マッサージでさらに楽になる。 4月7日。また顎関節に違和感が起きる。顎ストレッチで楽になったが、下顎骨の下角あたり、咬筋の付着部マッサージで楽になる。仕事、漫画など目を休んでいる時間が少ないことを指摘する。しかし、その生活習慣を改善するつもりはないようであった。 4月12日。右の顎二腹筋マッサージによって硬結をとり開口も楽になる。顎、首、顔の違和感がとれる。 4月19日。胸鎖乳突筋の硬結を発見、マッサージにより顎関節が楽になる。右三叉神経の中枝、頬骨付近にゴム状の硬結を発見、マッサージにつとめる。 4月26日。顎関節の具合は良好となる。口唇の上に違和感、側頭筋の凝りはあるがマッサージによって気にならなくなる。 4月29日。右胸鎖乳突筋の硬結がやわらぎ、開口が楽になっている。頬骨周辺マッサージを中心に施す。 5月27日。首が凝っている。前腕後側の凝りが目立つ。指を動かしているせいであろう。顎関節および咬筋マッサージによって開口が楽になり、顔面の違和感もとれる。 7月8日。非常に期間があく。体全体が疲れ牡牛のポーズの右後手が難しくなってしまった。左の股関節をマッサージする。それで体全体が楽になる。長い間座っていたせいか肩関節・股関節ともに負担がかかったことが原因と思われる。 7月22日。耳の後に凝りを感じ、耳の後の胸鎖乳突筋マッサージで楽になる。 7月29日。久しぶりで顎関節に違和感を感じたので、側頭筋を中心のマッサージでとる。8月5日。側頭筋が辛い。マッサージ後、楽になったが顔面の凝りも強く出ていた。顔面マッサージ、胸鎖乳突筋マッサージでとれる。 8月11日。顔面マッサージを中心に施す。かなり楽になる。寝方が右方向の可能性が強いことが報告される。 8月17日。首が痛いということで来院。一般マッサージ、その後、顔面マッサージ、胸鎖乳突筋マッサージで楽になる。中心施術を胸鎖乳突筋として施した。 8月24日。顔面マッサージ、座位マッサージによって背中や首、肩をほどこすと非常に楽になり、大変喜ばれる。 9月9日。首が重たいということで来院。左の胸鎖乳突筋の凝りが強い。マッサージ後、右乳様突起部の重さを感じる。しかし咬筋、頬骨下縁マッサージで楽になる。右三叉神経、眉の付近に重さを感じる。前頭筋のマッサージでこの部分はとれる。ずいぶんよくなっているが顎関節周囲に張りがあるということでマッサージをし改善される。 10月14日。右側の咬筋の重たさを感じている。しかし、上向きの背中のマッサージと座位の胸鎖乳突筋マッサージでほぼ痛みがとれる。ただ左の胸鎖乳突筋に強い張りを発見する。 10月21日。右顎関節痛。牡牛のポーズ後、減少し、右顎二腹筋マッサージで開口時の痛みはとれる。 10月25日。全体的のマッサージをする。右喉に硬結があり、足の外旋位をしていることを注意し、なおしてもらう。顔面の違和感も頬骨丘付近のマッサージでとれる。 10月28日。右咬筋、顎二腹筋の凝りが多い。午前1時から4時までパソコンを使用したせいの可能性が高い。頬骨マッサージでさらにとれる。 11月4日。前回、頬骨付近に硬結を発見し、そこにマッサージを施すと楽になった。 11月11日。顔はほとんど気にならなくなり、全体のバランスをとることに集中する。 11月23日。頭頂部、左足の凝りが目立つ。本人は首の辛さといっているが、頭頂部と左腰のマッサージをすることによって十分ほぐれてくる。腰の部分の張りをとるためにうつ伏せにおいて中臀筋、ふくらはぎマッサージを施した。 12月16日。首がつらいというので胸鎖乳突筋の凝り、前回の中殿筋、ふくらはぎの硬結をとるマッサージを施した。顔面の辛さはほとんどなくなる。 12月23日。全体的に良好。左背中、腰、顔面と関係ない部分の凝り、つまり仕事の疲れをほぐすのみにおいて終始し、今日で終了する。 |
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| 舌痛症 |
| ー症状と経過ー 3年前から舌および口の中に灼熱感と痛みが生じたが、MRIやレントゲンの検査では異常が発見できなかった。最後の受診先である「顎顔面外科外来」で咀嚼筋や首・肩の筋肉の緊張から生じる関連痛と診断される。しかし改善のための処置方法は示されなかった。そこで関連痛に詳しい当院を探し当てた。 ー当院での見解と経過ー 仰臥位マッサージの流れで潜在的な緊張がほぐれ、舌の痛みが少し減る。左半身に違和感があったが、実際には側頭筋も咬筋も右側が硬く、咀嚼筋ストレッチをする段階には痛みは半減していた。耳鳴りで説明したように、首・肩の疼痛部位から発せられる信号を脳に伝えるときに、三叉神経に伝達してしまう場合がある。この関連痛による痛みの可能性があったので、身体の整体から改善方向に導けた。舌や顔、顎関節など一部の部位だけ見ているので、改善が難しかったのではないか。全身を診て、部位を診る院長治療によって3回の施術で痛みがほぼ消えた。 |
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| 顔の左半分のしびれ |
| ー症状と経過ー 以前からたまに左顎関節の奥が痛かったが、2週間前から顔の左半分のしびれと左薬指・小指にもしびれが出始めた。歯科医では顎関節症と診断され、しびれは親知らずのせいと言われ、マウスピース治療のみを受ける。しかし効果がでないばかりか少しづつ悪化するようになってきたのでインターネットで調べ、来院される。 ー当院での見解と経過ー 左側のしびれなり痛みが自覚症状として上げられたが、実際は右側の硬結がひどく、右側の部位の施術後には自覚症状として上げられた違和感が減少した。また関連痛も見つけられ、違和感がある部位を直接施術することなく、違和感を減少させる事となった。最近では開口における口唇のズレも解消され、違和感もほとんど起こらなくなってきた。 |