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2009年4月に院長治療の本が全国書店で発売されます。アメリカにおける顎関節症の筋肉学的アプローチからクリック音が起こる理由と改善理論・頭の動きと顎関節症の関係などを説明しています。最新の情報ですので顎関節症の方には朗報となると思います。期待して下さい。なお耳鳴りに関する事項はトップページに戻り耳鳴りをクリックするか、次の―耳鳴り―をクリックして下さい。
                                

―顎関節症における院長治療スタート―

 今から6〜7年前までは、私の治療院に来られる方の大半が腰痛・膝痛・肩こりなどの症状の方でした。その方たちの施術する際に、私は顎関節も調べてみたのです。その当時は50〜60才代の方が多く、その方たちに口を開けてもらうと、意外にも、音がする人が多くいたのでした。しかしその方たちのあごには、痛みも問題になる症状もないのです。ただ口を開けるときにクリック音がでる人たちの顎関節を、右と左に交互に軽く押してみると、ひざを曲げる動作の重さや痛みが軽減したのです。

その時から私は来院される全ての方に対し、顎関節も考慮した施術をするようになったのです。特に今までしていた頭のマッサージを、咀嚼筋である側頭筋を主体に研究を進め、身体を緩める効果をだす側頭筋マッサージを考案したのです。その結果、膝痛・腰痛・首肩などの痛みの症状に対しての効果が大変上がったのです。

そして健康雑誌に掲載されたことで、中学二年生のバスケット部に所属している女子が来たのです。口をあける時の音と、時々起る顎関節痛によって勉強に集中出来ないということでした。

身体のバランスを調べてみると、バスケットをしている時、シュートをする際の動作は右腕を思いっきり伸ばし、左足での着地となります。その為か、座位姿勢を見ると、左右の肩のバランスがくずれていました。また猫背もひどく、かなり丸まって座っていました。  その姿勢で口を開けてもらうと、緊張しているのか、顔をこわばらせ、「おっかなびっくり」という表現がピッタリする状態で口を開いていました。

 大きく口が曲がり、途中で開けるのをやめてもらった位にひどいものでした。そこから施術に入りました。そして上向きでの施術が終わり、座位姿勢になってもらい、首・肩・背中を調整すると、口を開ける際に、ずれを起こすまでの開口範囲が広がったのです。つまり少し口を開いても音がしていたのが、口を開けて音がするまでの範囲が広がったのです。身体のバランスのくずれが開口のずれと大きく関係していることの証明ができた瞬間でした。

身体のバランスを調整することから顎関節を調整する独自の院長治療がスタートしたのです。



院長治療(マッサージ・整体・養生法)の流れ


顎関節のしくみの説明→開口検査→側頭筋マッサージ→肩関節周囲マッサージ→広背筋・僧帽筋マ

ッサージ→板状筋・最長筋マッサージ→股関節・腸脛靭帯マッサージ→股関節外内転屈伸体操→座位

による首の三方向調整→肩関節調整→背筋調整→開口調整→口輪筋調整


1.側頭筋マッサージ
  頭の横にある側頭筋から始めます。この筋肉は薄く筋肉量も少ないのですが、ものを噛む時に約60kg位の力を出します。それ故に負担も大きく、左右のバランスも崩れ易いので、開口・閉口時の左右のズレにも影響を与えます。また顎だけでなく、身体のバランスにも影響を与え、この筋肉を整えると後頚部や背中の筋肉までも緩み易くします。側頭筋は広範囲に筋肉が走行しています。そのため線維も垂直線・斜線・水平線と三方向に走行しているので、マッサージでほぐすには技術が必要です。




2.上向きでの調整
 当院では上向きで寝れるように上向きで背中を施術します。横向きやうつ伏せで寝ていると、片側の顎関節を圧迫し続けるので、治りが遅くなります。そこで上向きの姿勢で施術する方法は、深部に位置する多裂筋や板状筋・最長筋など、首を後ろに引く筋肉を緩められるようになるので、上向き姿勢が楽になり、また顔面の緊張も取れやすくなるので、歯ぎしりや噛み締めの軽減につながります。
 寝ている時の姿勢も治療の一つです。また広背筋・僧帽筋マッサージ、大腰筋調整、腸脛靭帯マッサージなどで筋肉を正しい位置に戻し、からだのバランスを整える整体をします。ここで、多くの方が腕の軽さ・脚の軽さを感じられます。顎関節症の人は腰・膝・足に痛みを訴える人が多いのも事実です。
 (treatマッサージ・整体法参照)



3.座位によるマッサージ
 あごの位置は寝ると下顎骨がのどの方へ後方移動します。あごの位置は寝た状態と起きた状態とでは違ってきます。歯はあごに付いているのですから、寝た状態の噛み合せと起きた状態での噛み合せとでは、位置に違いが出てくるのです。また頭の重さが掛かった状態での首・肩の筋肉を施術しないと、口を開ける・閉じる時に必要な調整が難しくなります。 
 そこで斎藤治療院ではベッドで寝た施術だけでなく、座った時の状態でも施術するのです。確かに寝た状態の方がほぐれるのですが、座った時の顎関節の位置でしか分らないコリをほぐさないと、咀嚼筋が緩まず、その結果顎関節の負担原因を取り除く事が出来なくなるのです。
 また猫背などによって生じる首・肩・背中の緊張もほぐせるので、鎖骨・肩甲骨などの“位置異常”が調整出来ます。その為「空手JMFan」12月号に記載されている背中で手が組めるようになり、首・肩・腕・腰が楽になります。

4.
開口における左右のずれを調整する

 弱い刺激で可動範囲を広げる院長治療により開口時の左右のずれを調整する事が可能となりました。
また外側翼突筋に直接刺激を与える事なく、顎関節・咬筋・舌骨筋群・表情筋マッサージによって、上下の切歯が左右にずれる事なく開口出来る可動域を広げていきます。また開口障害の場合も同じようにして開口域を広げます。またイメージトレーニングによって開口時の閉口筋の収縮による共収縮を防ぐ指導をします。現在では口輪筋調整もしております。        

5.開口域を維持するストレッチ体操を指導

「安心」‘03年7月号掲載 「健康」‘02年5月号掲載
咀嚼筋ストレッチ=顎ストレッチ・口開け体操
 効果を維持する為に、舌骨筋・側頭筋・咬筋を順番に伸ばすストレッチ体操や口を正しく開く練習などの家庭で出来る方法を指導します。顎を左右にずらす運動や顎をずらしてから口を大きく開く事は決してしないで下さい。関節円板をずらす原因となります。



6.パン噛み・歯ブラシの使い方の指導

 開口のズレが解消された後は食べ方の練習です。鏡を見ながらの正しい噛み方の練習により開口時のズレを更に匡正(きょうせい)し、元の悪い状態に戻らなくしていきます。誤った開口の仕方・物の噛み方は脳が憶えています。
 正しい指導をしないと、すぐに脳が憶えている悪い習慣が出て戻ってしまうからです。また歯ブラシの誤った使い方によって頬を引っ張り、顎関節をズラす事を度々見かけます。歯ブラシの使い方も顎関節を守る大切な要因の一つです。



7.座り方・寝位などの生活習慣の改善方法の指導

 ノルウェーの特殊なイスのように、体を前傾させる状態が呼吸を楽にし、あごに負担をかけ難くします。人間は完全な二本足動物でなく、また四本足動物でもありません。背もたれに寄り掛かるのでなく、前傾する事で四本足の時の姿勢に近づく事も必要です。人間は同じ姿勢では長くいられません。時にはいつもと違う筋肉を使って座る必要があります。
 その他、職業からくる悪い姿勢による一部の筋肉の負担を軽減する体操などを指導します。ここに来られる方は生活習慣の改善が必要である場合が多く見られます。
◆ 身体の歪みを整えてから顎関節を調整する。


 当院の特長は治療の流れで説明したように、顎関節だけを調整するのではなく、全身のバランスを整えながら施術する、痛くないマッサージ・整体治療です。「全身を整える事で顎関節も整いやすくなる」という発見は、プレート療法を研究されている先生の一言がきっかけとなりました。
 私が「噛み合せの正しい位置はどこですか?」と言う質問に、先生は「口の中だけをを見るのでなく、モアレ写真などによって身体の歪みを診ながら調整する・・・・」と答えられたのです。先生はプレートによって咬合位を高くする治療方法をなさっていましたが、体の歪みと顎関節の関係を明示されました。
 この時から、顎関節と身体のバランスの重要性を考えるようになり、そしてこの考えから“身体を調整する事によって反対に顎関節を整える事が出来るのではないか”という発想が起きたのです。

首と顎関節との関係
  ークォードラント理論ー

 当院の治療に大きく影響を与えている理論がクォードラント理論です。右図のように、円を四分の一に分け、それぞれの円周の曲線をベクトル化し、顎関節の下顎頭とあごのオトガイ部の動きを右図に当てはめると、下顎頭の動きは第一象限に、オトガイ部の動きは第四象限にあてはまります。その結果から、下図のように顎関節の開口は顎関節を中心に開くのではなく、首の第一頚椎と第二頚椎を中心に開く事が証明されます。
 顎関節症は顎関節周囲の事を考えるだけでなく、頭を支える首の骨(第一頚椎・第二頚椎)も関係するので、首の位置や動きも注意する必要があります。その為横向きで寝る姿勢やパソコンなどの見る姿勢が重要となり、更に首の位置を考えるには、身体全体を考える必要性が生まれます。それ故に当院は治療だけでなく、日常生活の姿勢や体をほぐす体操法などの指導も重要視するのです。






顎関節症で来られる方の自覚症状は「口を開けるときに音がする」「食事のとき、ものを噛むと痛い」「口が大きく開かない」「じっとしていても顎関節周囲が痛い」「口を大きく開くと痛い」などが最初の問診で出てくる症状です。
 この症状を整理すると「痛みがあるか、無いか」で分けられます。次に「口を開くときに問題がある、口を閉じるときに問題がある」に分けることが出来ます。
 この4つのパターンを組み合わせるといろいろなことが判断できてきます。そこで次に痛みの部位を触診し、さらに鏡を使って開口の状態を調べるのです。この検査方法から導き出された一番難しい症状は開口障害です。
口が開かない(指を縦にして3本入らない)
口の開閉時に音がする(クリック音がでる) 
顎をずらさないと開口できない
顎関節周辺が痛い、こわばっている
顔の変形(口角の位置異常)
物を噛むとき顎関節が痛む
慢性的な頭痛、耳鳴り。
【 主な原因 】
子供の頃何度も噛まなければ食べられない食物(硬い肉、玄米、タコやイカ)を摂らず、軟らかい食物ばかり摂ることによって顎の筋肉が発達せず、開口時における下顎の固定が出来なくなっている。
猫背で椅子に座っている ・・・胸鎖乳突筋及び舌骨筋群の片側的収縮
パソコン画面を正面で見ていない ・・・胸鎖乳突筋及び舌骨筋群の片側的収縮
寝ながら本を読む ・・・胸鎖乳突筋・舌骨筋群・咬筋の異常
片側ばかりで食物を噛む ・・・咀嚼筋の片側的収縮
あごをずらして口を大きく開ける癖がある。 ・・・外・内側翼突筋の片側的収縮
あごを左右にずらす癖がある ・・・外・内側翼突筋の片側的収縮
片側ばかりの横向きやうつ伏せで寝る ・・・咬筋及び側頭筋の片側的収縮
片則的な姿勢、ねじれの姿勢の状態を長く維持する ・・・胸鎖乳突筋及び舌骨筋群の片側的収縮
片方ばかり頬杖をつく ・・・咬筋の異常
パソコン等で下向きの時間が長い ・・・顎二腹筋の片側的収縮
ストレスによる噛み締め ・・・側頭筋の収縮・表情筋のこわばり
口を開けた状態でほっぺたを片方に引っ張る ・・・外・内側翼突筋の片側的収縮
参考文献 : テンプレート療法・Quadrant Theoremを基本として 前原 潔著
参考文献 : 南江堂  ネッター解剖学アトラス Frank H.Netter,M.D