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耳鳴り


◆症状

  常に耳の中で音がしている状態、「キーン」「ゴー」など音は様々。
  耳が塞がれた感覚。耳の中に水が入ったような耳詰まり感など・・・。
◆ 原因ー新しいアプローチ


ー耳鳴りと顎関節との関係ー
 顎関節症を治療している時、度々耳鳴りの症状が止む時があります。そこで耳と顎関節の関係を発生学的な見解から見ると、耳の中にある音を伝える3つの骨は”あご”の骨から分化されたものとして研究報告されています。また大きな音を調整する鼓室中にあるアブミ骨筋は、口を開ける時に使われる顎二腹筋の後腹から分化されたものとして解剖学では説明されています。大きな音を調整するアブミ骨筋が異常な状態に置かれた時“耳鳴り”の症状が出てくるのではないか?というアプローチの元に耳鳴りの治療を進めてゆきます。

ー顎関節と全身のバランスー
 顎関節を調整する時に大切な事は全身のバランスを調整してから噛み合わせを正さなくてはいけない、という点です。現代人はパソコン作業等により、正しい立位・座位・寝位ができなくなっています。その結果頭の位置がずれてしまい、顎関節を調整する事が大変難しくなっているのです。頭・首・肩の正しい位置を獲得するにも、大腰筋・大殿筋・広背筋・外内旋筋群などの背中・腰・股関節の調整が必要になります。

ー即効性ー
 耳鳴りは通常1〜3回の施術で効果を出します。100%は難しいのですが、必ず音は減衰します。もし3回以上施術をして何の変化もなかった場合は別の理由が考えられます。朝昼晩常に一定の音であり、姿勢や仕事での緊張度合とも関係がない場合は難しいかもしれません。しかし耳鳴りの患者さんと接して6年間位になりますが、顎関節を調整して効果を出せなかった方は2〜3人位です。是非皆さんも耳鳴りと顎関節の関係を考慮してみて下さい。



               
上記の解剖図をクリックすると拡大画像になります。
◆ 治療方法
顎関節症の治療法とほとんど同じ流れで施術が進められます。特に顎二腹筋マッサージを中心に施術するとかなりの成果があらわれます。多くの方々が1〜2回で改善の兆候を感じ取られます。耳と顎関節の関係が体感できる瞬間です。
◆ 実績
H.S.さん(31才・女性)の治療例
症状
・5〜6年前から耳詰まりに悩ませられる。耳鼻咽喉科において検査を色々と受けるが原因が見つからず、「耳管開放症」の疑いで仙台の専門医を紹介される。しかし「耳管開放症」でないと診断され、原因不明のまま当院を訪れる。
・また最近右顎関節痛及び左顎関節にクリック音が出てきた。
・耳鳴りも最近では悪化し、人の話も聞き取り難くなり、会社を辞める。
斎藤治療院での治療
・1回目において、背中の筋肉を調整後耳詰まり感が半減する。開口は指1本で音がする→顎関節マッサージで指2.2本まで音がせずに開口可となる。
・2日後来院される。全身の緊張を取る事に重点を置き施術。指2,7本まで音がしなくなる。耳鳴りも減少、しかし耳詰まり感は残る。
・2日後3回目の来院となる。顎関節マッサージで開口指3本スレスレまで音なく開口可能となる。耳鳴りがしている時間が減少している。
・2日後4回目の来院。枕を変え、耳鳴りのしている時間がさらに減少。
・6日後5回目の来院。また耳鳴りが強くなる。耳鳴り及び耳詰まり感は施術後ほぼ消えるので、養生法を中心に指導。
・1週間に2度のペースで6〜17回目の来院、、耳鳴りを引き起こす生活習慣の改善によって消えている時間が長くなり、顎関節の音も消える。
・1週間に1回のペースで18〜20回目の来院。開口指3本クリック音なしに可能となる。耳鳴り・耳詰まりも生活習慣の改善と体操法によって、耳鳴りが起きても対処できるようになる。
・2週間後21回目の来院。開口が楽になり音も消え、耳鳴りも気にならなくなる。
・ 咀嚼筋ストレッチを一日に朝昼晩3回ずつを実行する
・前傾座位姿勢・上向きでの寝位を実行する。
・立位腕立て伏せ・肩関節調整体操を実行する。
・生活養生法の実践。
H.S.さん(36才・男性)の治療例
症状
・右顎関節痛で来院される。その時に右顎関節痛だけでなく、耳詰まり感に悩ませられていて治らないと思っている事を告げられる。
・耳鼻咽喉科・鍼灸などを試みられるが、期待した効果が現れず諦めていた。耳鼻咽喉科では異常なしと診断された。
・症状としては右顎関節が開口の時ずれる感覚で痛みを生じる。水を飲む時に耳詰まり感がより大きくなる。
斎藤治療院での治療
・背中の筋肉を調整後顎関節マッサージ及び顎二腹筋マッサージで耳詰まり感が半減する。開口時のずれ及び痛みはほとんど取れる。
・3日後来院される。前回は1時間位で耳詰まりは元の状態に戻ってしまった。顎関節の痛みはほとんど消えた。施術後前回よりも耳詰まり感が消えた。
・3〜5回目の施術でほぼ耳詰まり感が元に戻らなくなった。
・合計6回の施術で平均3日置きの来院で耳詰まり感が100%解消された。
・ 咀嚼筋ストレッチを一日に朝昼晩3回ずつを実行する
・前傾座位姿勢・上向きでの寝位を実行する。
N.S.さん(33才・女性)の治療例
症状
・開口時の左顎関節のズレ。左側の耳鳴り。
・耳鼻咽喉科・口腔外科などの医療機関での診断は受けず、4〜5年前から悩んでいた。
・開口がスムースでなく引っ掛かりがある。ゆっくり同じスピードで開口が出来ない。左顎関節クリック音。
斎藤治療院での治療
・1回目は少しクリック音が減り足が軽くなった。
・2日目は3日後に来院される。乳様突起マッサージで耳鳴りが50%減少する。
・3〜6回目は3日間の間隔で施術する事で、開口時のズレが無くなり指3本以上の開口域となる。耳鳴りはほとんど消える。
・7回目は11日後に来院。喉のマッサージにより更に耳鳴りは完全に消える。
・ 咀嚼筋ストレッチを一日に朝昼晩3回ずつを実行する
・前傾座位姿勢・上向きでの寝位を実行する。
◆ 治療方法


頭のマッサージ  上向きでの調整  座位によるマッサージ  開口における左右のズレを調整する  開口域を維持するストレッチ体操を指導する  噛み方・歯ブラシの使い方指導 → 座り方・寝位などの生活習慣の改善方法の指導


  
1.頭のマッサージ
  頭の横にある側頭筋から始めます。この筋肉は薄く筋肉量も少ないのですが、ものを噛む時に約60kg位の力を出します。それ故に負担も大きく、左右のバランスも崩れ易いので、開口・閉口時の左右のズレにも影響を与えます。また顎だけでなく、身体のバランスにも影響を与え、この筋肉を整えると後頚部や背中の筋肉までも緩み易くします。  (肩こり・腰痛の新しい原理参照)



2.上向きでの調整
 当院では上向きで寝れるように上向きで施術します。横向きやうつ伏せで寝ていると、片側の顎関節を圧迫し続けるので、治りが遅くなります。また上向きの姿勢は歯ぎしりや噛み締め軽減につながります。寝ている時の姿勢も治療の一つです。また広背筋・僧帽筋マッサージ、大腰筋調整、腸脛靭帯マッサージなどで筋肉を正しい位置に戻し、からだのバランスを整える整体をします。ここで、多くの方が腕の軽さ・脚の軽さを感じられます。顎関節症の人は腰・膝・足に痛みを訴える人が多いのも事実です。 (treatマッサージ・整体法参照)


3.座位によるマッサージ
 あごの位置は寝ると下顎骨がのどの方へ後方移動します。あごの位置は寝た状態と起きた状態とでは違ってきます。歯はあごに付いているのですから、寝た状態の噛み合せと起きた状態での噛み合せとでは、位置に違いが出てくるのです。また頭の重さが掛かった状態での首・肩の筋肉を施術しないと、口を開ける・閉じる時に必要な調整が難しくなります。 
 そこで斎藤治療院ではベッドで寝た施術だけでなく、座った時の状態でも施術するのです。確かに寝た状態の方がほぐれるのですが、座った時の顎関節の位置でしか分らないコリをほぐさないと、咀嚼筋が緩まず、その結果顎関節の負担原因を取り除く事が出来なくなるのです。
 また猫背などによって生じる首・肩・背中の緊張もほぐせるので、鎖骨・肩甲骨などの“位置異常”が調整出来ます。その為「空手JMFan」12月号に記載されている背中で手が組めるようになり、首・肩・腕・腰が楽になります。

4.
開口における左右のずれを調整する

 弱い刺激で可動範囲を広げる院長治療により開口時の左右のずれを調整する事が可能となりました。
また外側翼突筋に直接刺激を与える事なく、顎関節・咬筋・舌骨筋群・表情筋マッサージによって、上下の切歯が左右にずれる事なく開口出来る可動域を広げていきます。また開口障害の場合も同じようにして開口域を広げます。        

5.開口域を維持するストレッチ体操を指導

「安心」‘03年7月号掲載 「健康」‘02年5月号掲載
咀嚼筋ストレッチ=顎ストレッチ・口開け体操
 効果を維持する為に、舌骨筋・側頭筋・咬筋を順番に伸ばすストレッチ体操や口を正しく開く練習などの家庭で出来る方法を指導します。顎を左右にずらす運動や顎をずらしてから口を大きく開く事は決してしないで下さい。関節円板をずらす原因となります。


6.パン噛み・歯ブラシの使い方の指導

 開口のズレが解消された後は食べ方の練習です。鏡を見ながらの正しい噛み方の練習により開口時のズレを更に匡正(きょうせい)し、元の悪い状態に戻らなくしていきます。誤った開口の仕方・物の噛み方は脳が憶えています。
 正しい指導をしないと、すぐに脳が憶えている悪い習慣が出て戻ってしまうからです。また歯ブラシの誤った使い方によって頬を引っ張り、顎関節をズラす事を度々見かけます。歯ブラシの使い方も顎関節を守る大切な要因の一つです。



7.座り方・寝位などの生活習慣の改善方法の指導

 ノルウェーの特殊なイスのように、体を前傾させる状態が呼吸を楽にし、あごに負担をかけ難くします。人間は完全な二本足動物でなく、また四本足動物でもありません。背もたれに寄り掛かるのでなく、前傾する事で四本足の時の姿勢に近づく事も必要です。人間は同じ姿勢では長くいられません。時にはいつもと違う筋肉を使って座る必要があります。
 その他、職業からくる悪い姿勢による一部の筋肉の負担を軽減する体操などを指導します。ここに来られる方は生活習慣の改善が必要である場合が多く見られます。
◆ 身体の歪みを整えてから顎関節を調整する。


 当院の特長は治療の流れで説明したように、顎関節だけを調整するのではなく、全身のバランスを整えながら施術する、痛くないマッサージ・整体治療です。「全身を整える事で顎関節も整いやすくなる」という発見は、プレート療法を研究されている先生の一言がきっかけとなりました。
 私が「噛み合せの正しい位置はどこですか?」と言う質問に、先生は「口の中だけをを見るのでなく、モアレ写真などによって身体の歪みを診ながら調整する・・・・」と答えられたのです。先生はプレートによって咬合位を高くする治療方法をなさっていましたが、体の歪みと顎関節の関係を明示されました。
 この時から、顎関節と身体のバランスの重要性を考えるようになり、そしてこの考えから“身体を調整する事によって反対に顎関節を整える事が出来るのではないか”という発想が起きたのです。

首と顎関節との関係
  ークォードラント理論ー

 当院の治療に大きく影響を与えている理論がクォードラント理論です。右図のように、円を四分の一に分け、それぞれの円周の曲線をベクトル化し、顎関節の下顎頭とあごのオトガイ部の動きを右図に当てはめると、下顎頭の動きは第一象限に、オトガイ部の動きは第四象限にあてはまります。その結果から、下図のように顎関節の開口は顎関節を中心に開くのではなく、首の第一頚椎と第二頚椎を中心に開く事が証明されます。
 顎関節症は顎関節周囲の事を考えるだけでなく、頭を支える首の骨(第一頚椎・第二頚椎)も関係するので、首の位置や動きも注意する必要があります。その為横向きで寝る姿勢やパソコンなどの見る姿勢が重要となり、更に首の位置を考えるには、身体全体を考える必要性が生まれます。それ故に当院は治療だけでなく、日常生活の姿勢や体をほぐす体操法などの指導も重要視するのです。









参考文献  南江堂  ネッター解剖学アトラス Frank H.Netter,M.D
参考文献 : テンプレート療法・Quadrant Theoremを基本として 前原 潔著



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