トップページへ
                                    
SRM (Saito Remedial Massage) の特長
 

 現在の顎関節症・変形性膝関節症・椎間板ヘルニアなど、レントゲンやMRIそしてCTスキャーなどによる画像診断が主流となっています。耳鳴りの場合は脳腫瘍の疑いも出てきますので、これらの画像診断は大切になってきます。また関節や骨の異常も画像によって診断されるべきです。さらに「骨盤のズレ」という表現が多く使われていますが、正常範囲の骨盤のズレを異常と呼ぶ人も多く、画像診断によって正しい診断を受ける必要があります。



 しかしこのような画像診断では発見しにくい異常もあるのです。例えば筋肉の「コリ」、現在ではミクロの筋肉の損傷として把握されています。数百本の筋繊維で構成されている筋肉に「コリ」がある場合、その中にある数十本の筋繊維は収縮し続けている状態なので、脳から伝達される指令には従いません。その結果、正しい収縮をしない=筋肉が正しい位置からズレてしまい、関節に負担をかけることが度々あります。さらに脳にも「コリ」による損傷情報が伝えられるので、脳の情報処理が多くなり、ストレスやら下向抑制系のマイナスにも働きます。ドーパミン・セロトニンなどのホルモンにも大きく影響を与える要素もあります。
 


 ですから最近リラクゼーションサロンと称されるマッサージ・エステ・整体等のお店が多く出現しているのです。「コリ」が取れることで心理的にもリラックスできるからです。しかし正常範囲からズレた筋肉の「コリ」は、凝っている部位だけをほぐしても改善はされないのです。その理由は身体は一つの筋肉で動いているのではないのです。





 上の図は「腕の力こぶ」で知られている上腕二頭筋と上腕三頭筋です。腕を曲げるときには上腕二頭筋が収縮し、腕を伸ばす時には上腕三頭筋が収縮します。このように筋肉は収縮する機能だけですので、「曲げる」と反対の動きをしたい場合は、その動きと反対に動く=腕を伸ばす筋肉が存在するのです。そしてこの事は腕を曲げるときに痛い場合、「曲げる筋肉の上腕二頭筋だけを考えれば良いか?」という疑問が出てくるのです。

 もちろん腕を曲げるときに反対の動きをする上腕三頭筋も考えなくてはいけないのです。





 上の図は身体を帆船として例えたものです。背骨が帆柱で筋肉が帆となります。上の右写真は浅部にある筋肉です。背中の筋肉だけでも何層にも分かれています。そして浅部にある筋肉とは違う動きをします。またこの他に背中だけでなく、腹部の筋肉そして側腹部の筋肉も関与してきます。さらに上肢や下肢も考えなくてはいけませんし、頭部も必要です。このように考えると一部位の痛みや不快症状であっても、全体を診てから施術しなくてはいけないことを知ることが出来ます。


 左のやじろ兵衛の重りを左右均等でなくすと、真っ直ぐに立たせるには、糸でいろいろな角度から引っ張らなくてはなりません。この糸を筋繊維と考えると理解して頂けると思います。右の正常な図に比べ、いろいろな糸=筋繊維を考える必要性が出てくるのです。

 このように正常であれば凝っている部位をマッサージしても良いのですが、バランスが崩れると身体全体を考えた上でマッサージをしなくてはいけないのです。



 しかし現在の日本の医療制度では、肩が痛いのであれば肩のみの部位治療しか認められません。下肢の部位を施術する場合は自由診療となるのです。そのために日本のマッサージ技術は欧米諸国と比べ遅れをとっているのです。アメリカではホリスティック医学と言って、例えば「耳鳴り」を診る場合に、口腔外科・耳鼻咽喉科・整形外科・診療内科・カイロプラクティックやマッサージなどの手技療法師などが組んで治療にあたる包括的な医療があります。ここまでは進んでいませんが日本でも腰痛治療に当たって、福島県立医科大学付属病院では整形外科医と心療内科医が組んで治療に当たっているそうです。

 斎藤治療院では通常のリラクゼーションマッサージと違い、原因不明も含めた「痛み・不快症状」を改善する目的でつくられたRemedial Massageをしております。そのため手技方法としては通常の強い圧でのマッサージと違い、弱い圧であり、深部にまで影響を与える手技を創り上げました。また顎関節・耳などの器官・魚から人にいたる発生学・筋肉学などの理論を解き、またヨガ・気功において生きた解剖学を体験してきました。そしてその時だけの効果を出すマッサージでなく、根本から原因を取り出し、改善し、維持する体系を構築しているのです。これより下の説明は視覚的に分かりやすいO脚矯正を例にしました。この写真の方は私が想定していた以上の成果を上げられました。膝から下にある脛骨・腓骨にまで影響が与えられたのです。骨や関節に目を向けがちなのですが、筋肉の大切さも考えて頂きたいのです。

 


筋肉を正しい位置に戻す整体
 
 下の写真は筋肉を整えることでO脚を矯正した写真です。多くの方は「骨や関節を調整しなければO脚は改善できない」と思われていますが、筋肉や靭帯・関節包などで骨・関節の位置は決定されることが多いのです。



 

 上の写真をレントゲンで撮影されたような骨だけの図で見て見ましょう。





 
ここで注意して見て頂きたいのが、大腿骨が骨盤に付く形状です。O脚は大腿骨が真っ直ぐに付いているのに対して正常な脚は大腿骨が斜めに位置しているのです。この結果、膝から下にある脛骨はO脚の場合は斜めに足首に付くようになり、それに比べ正常な脚の脛骨は真っ直ぐに足首に付いています。
 前述したように骨はそれ自体では固定できません。ちょうど学校にあったガイコツの標本のように、ネジで止めてないとバラバラになってしまうからです。実際は筋肉などによって骨の位置は決まってきます。ですから筋肉を整えることで大腿骨の付き方を変化させ、O脚を整えることが出来るのです。このように膝関節の改善であっても股関節が重要となり、また骨盤も、背骨も、首も、顎も・・・。といった具合に身体全体を考える必要が出てくるのです。この考え方はヨガを実践することで確認できたのです。


 ヨガの原理=全身のバランスを整えることから関節の可動域を高める。
    ヨガの講師時代、世界ヨガ大会に出席されたアイアンガー師の合宿に参加した経験があります。師は簡単なアサナ=体位法を、指先・つま先の位置を含め、「こんなことまで・・・。」と思うほど、徹底的に正確な位置に置く指導をされました。その結果、正しい位置でのアサナによって身体の柔軟性が増し可動範囲が高まる事を体験的に会得したのです。そしてその逆に僅かな体位の誤まりでも時間の経過と共に大きな歪みとなり、筋肉や関節に負担をかける事、ただむやみに身体を前屈させたり伸ばしたりするのがヨガでない事を学んだのです。
 また関節の可動域を広げるには、たとえ股関節であったら、股関節だけに目を向けてはならないことも学んだのです。アイアンガー師の授業ではアクロバットのような複雑な動きは指導しません。しかし簡単なアサナを実践していく間に身体のバランスが整い、関節の可動域が飛躍的に向上するのです。
 

 左の写真は30才台の斎藤院長の写真です。筋肉の正しい位置を確認しながらのアサナと、身体全体のバランスを考えて上でのアサナの組み合わせによって、このような体位が可能となったのです。
 普通に考えると膝関節の可動域を超えているので、関節面への負担が強く、歩く・走るといった動作に支障が出るはずです。しかし合気道での膝行といった膝立ちで動く練習も難なくこなし、また100メートルを12秒台で走る俊足でもあったのです。 
 このようなアクロバット的な体位をするには首・肩・背中・腰・尻・大腿・膝・足首などの筋肉のバランスを考えないと難しいのです。一部分を改善しても全体のバランスが崩れていると出来ないのです。 
 ですから顎関節症であっても股関節調整もしますし、その逆にO脚矯正であっても顎関節調整もするのです。
 全身マッサージから部位を調整する理論の基を創ったのです。 


3 噛み合わせ理論をヒントに「自分で治る力」を引き出すマッサージ体系をつくる。50%の緩みが70%になる。

 歯科衛生士をしている友人からプレート療法の効果の証明として、割りばしを使って咬合位を上げると、瞬時に身体の歪みが改善される写真を見せられたのです。今までにない方法で身体の歪が改善できることは、大きな感動を与えてくれたのです。この時からプレート療法における効果の論拠、顎関節の位置=咬合位などと関係が深い咀嚼筋を研究し始めたのです。特に側頭筋はストレスと関係が深く、「感情をかみ殺す」と言われるように、ストレスが強いと何にもしなくても勝手に側頭筋が「ピクピク」と動いている人がいるのです。そしてこの側頭筋を特別な方法で緩めることで、全身の緊張感を減じる=身体を緩めることを発見するのです。
 側頭筋を上手に緩めると、背中の表面だけでなく深部にある筋肉までもが緩みやすくなります。そのため深部にある筋肉をよりほぐし易くするため、背中のマッサージを上向きでする方法を思いついたのです。すると今度は股関節周囲の筋肉が緩みやすくなり・・・・。という具合に、身体自身が勝手に緩んでくるのです。
 SRMは一つの部位に時間をかけません。個々の部位を50%ほぐせば、全身をマッサージした後にその部位に戻ってくると70〜80%になっているのです。それは身体が自分で「治ろうとする力」を得たかのようでした。

 ヨガを実践することで体得した理論を使って、緩みの連鎖が起こるように手技を組み立て、体系化したのです。50%の手技で効果を出すので、「もみ返し」のような症状は回避され、90才の方も・虚弱体質の方も・妊娠されている方も無理なく受けることが出来るのです。柔らかい刺激で効果を出す、顎関節症でもあごだけをマッサージしないで全身をしてから顎関節をマッサージする。耳鳴りなどの改善不可能と言われた症状も「自分で治る力」を得ることで改善の道が開かれるのです。

 SRMの手技は上向き・座位・うつ伏せ・立位などから組み立てられています。写真での解説は上向きで施術するマッサージ法を中心に説明しました。種類数は上向きでは50種類以上、座位では40種類以上、うつ伏せでは30種類以上、立位では20種類以上、という具合に姿勢での筋肉の収縮状態を考えた上での施術方法のために、オリジナルでありながら数多くの手技方法を創り上げたのです。
 またSRMの手技は部位別だけの手技ではなく、"流れ"によってつくられたのです。それは車をつくる流れ作業=ベルトコンベアーシステムに似ています。最高級の車をつくるために最高級の部品をつくるのであって、最高級の部品だけでは成り立たないのです。それと同じようにSRMの手技は関連しあって成り立っているのです。そしてそれぞれの手技の成否を動作検査=可動範囲検査によってチェックしながら進めていきます。このチェックシステムによって自分の技術力の安定と向上が計られるのです。

SRMの手技の順序(=上向き姿勢)

側頭筋マッサージ → 大胸筋マッサージ → 広僧筋マッサージ → 大殿筋マッサージ → 股関節調整 → 腸腰筋マッサージ → プラスアルファ

 側頭筋マッサージで身体の緊張を緩めます。この手技だけで背中の筋肉も緩んでくるケースも多く見られます。次に腕を胸や腹で組んでいる人が多くみられます。安心して寝ている状態を「大の字」で寝るといいます。ヨガでの「シャバアサナ」もこの寝位の姿です。
 
 大胸筋マッサージを施すと、腕の緊張や肩の緊張が解れ、腕を下に降ろした状態で肩や背中がベッドに付きやすくなります。大胸筋が硬いと肩を後ろに引く動作に関与している広背筋も緊張を強いられるのです。 
     
 大胸筋マッサージによって広背筋の緊張を減少させた後、腕を上に挙げた状態で広僧筋マッサージをします。上に挙げた腕がベッドに付かないくらいに硬い人が多くいます。腰から腕に付いている広背筋も硬くなっています。硬い部位を4本指で広範囲に触知しながら広背筋をマッサージすると、上に挙げている腕がベッドに付きやすくなってきます。さらに腕を挙げることで僧帽筋上部線維は緊張しますから、僧帽筋マッサージで下部・中部線維が緩めれば、腕を挙げる動作も楽になり、更にベッドに付きやすくなってきます。また広僧筋マッサージを施した側の股関節屈曲(=膝を胸に付ける動作)をしてもらうと軽くなっているはずです。股関節屈曲と反対の動きをする大殿筋が緩んだからです。
 
 大殿筋マッサージは膝を立てた状態で施術します。膝を内側に押したとき(=内転)に硬く感じる場合は大殿筋が硬くなっているケースが多く見られます。大殿筋は膝を外側に持っていく(=外転)筋肉で硬いと内側にもっていく内転動作が硬くなります。大殿筋マッサージをすると内転が楽にできるようになります。ここで股関節調整をします。特に外内転運動を中心として可動域を広げます。また大殿筋はイスから立ち上がるといった股関節伸展を司る筋肉なので、その正反対の動きをする腸腰筋にも良い影響を与えます。
 
 腸腰筋は深部に位置する筋肉なので、マッサージは難しいまたは出来ない、と言われている筋肉なのです。ですがSRM独自の押圧の掛け方と指の感覚で可能となります。このマッサージを受けられると、股関節屈曲の可動範囲が飛躍的に向上し、更に足が軽くなります。この結果、イスに座る姿勢が正しく出来るようになります。

 その他後脛骨筋マッサージや腓腹筋・ヒラメ筋マッサージ、腓骨筋マッサージ、前脛骨筋マッサージ、足趾マッサージなど、また腱鞘炎や五十肩の方には前鋸筋マッサージ・上腕二頭筋マッサージ・腋窩マッサージ・総指伸筋マッサージなどのオリジナルマッサージを施します。



側頭筋マッサージ


 写真で頭蓋骨の側面についている筋肉が側頭筋です。下顎骨の筋突起に付きます。ですから写真で見るように顎関節の前方に位置しています。そしてこの筋肉は始まっている部位が広く、付いている部位が狭いのが特徴です。綱引きをした時に5対1で引くようなもので、すごい力で下あごを引き上げます。しかし5車線だった道路が突然1車線に変わって渋滞するように、力は出やすい構造なのですが、筋繊維は絡みやすくなってしまいます。

 また下顎骨は筋肉がないと下に落ちてしまいます。つまり筋肉によって下あごは支えられているのです。この支える役目を咬筋などと共にしているのが側頭筋なのです。通常はトーヌスといって筋繊維が順番に収縮してきます。例えば前方から後方にかけて10本ずつ筋繊維が収縮していく。このような方法で疲れ難くしています。しかしパソコン業務などで緊張するとこの規則正しい収縮に異変が起き、そうでなくても絡みやすい構造なので、コリができやすくなってしまいます。



 

 顎関節症・耳鳴りなどの症状を有している方達の側頭筋を触ると、何もしていない状態で「ピクピク」していることが確認できます。それはちょうど、目の下が「ピクピク」と痙攣している人と同じような収縮です。またこの痙攣は目の下と違って自分で気が付いていない方が多いようです。しかし側頭筋は気が付かない、気が付くに関係なく収縮を続けていますので、硬いコリ=硬結ができてしまうのです。
 
 また側頭筋は構造上、下あごを後ろに引き上げる作用もします。口を開ける動きは開口域が2cm以上になると前方に移動し始めます。その時に側頭筋が硬いと、前方に移動する動きを制限して、開口障害の一因になる場合も多くみられます。また右と左の側頭筋で収縮する力に差が出てしまうと、開口時においてズレが生じます。鏡を見ながら口を開けていくと、真っ直ぐに開かない方も多くいると思いますが、側頭筋に問題がある場合が多いのです。
 
 この側頭筋を緩める方法は筋繊維の方向をしっかりと指の感覚でとらえマッサージすることと、全身の緊張をとることで神経の異常興奮を抑えることです。


 親指を支点に4本指を側頭筋に当てます。この時に側頭筋の広い面積にある硬結の状態を4本の指がそれぞれ感知しなくてはいけません。
 そして硬結の部位に合わせた圧でマッサージするのです。ですから中指が当たった部位と小指が当たった部位とが違えば圧の入れ方も変わりますし、動きも変わります。  
 つまり4本指を同時に動かすのではなく、動きも圧の入れ方も別々なのです。SRMは触った感覚から動きをつくりだします。そのため動かしている指は車でいう4輪独立駆動なのです。
 ですから一見すると簡単に思える側頭筋マッサージも数年かけて習得するマッサージなのです。

 


大胸筋マッサージ
           


 
大胸筋も側頭筋と同じく付着している部位が狭く、始まっている部位が広い筋肉です。この図から理解できるのは腕に付く部位の筋繊維がいろいろな方向から集まってきたということです。上に引く筋繊維と下に引く筋繊維が混在している筋肉なのです。ですからこの筋肉が硬くなると、日常生活で使われる動作に負担をかけるようになります。
 

 この筋肉が収縮すると腕を内側に動かすので、肩も内側に向くようになります。つまり大胸筋が硬くなると上を向いて寝た時に肩が浮くというか、背中がベッドに付いていないような感覚をつくるのです。大胸筋は構造上、肩関節外旋・内旋位で筋肉の出方が変わります。また筋繊維の走行に合わせてマッサージしたり、筋繊維の交わっている箇所を丁寧にほぐすことも必要です。そのためには母指マッサージだけでなく、四指を使ってマッサージすることもあります。
 このマッサージが効果を出すと、腕を水平より上に挙げる動作が楽になります。筋繊維の形状から大胸筋が収縮していると、挙げている腕を下に引く動きをするからです。しかし下に位置する腕を水平にもってくる動きに対しては協力筋となります。

 


広僧筋マッサージ

  


 広僧筋マッサージとは広背筋と僧帽筋を上向きでマッサージする方法です。広背筋も僧帽筋も左右1対ある筋肉で、どちらも背骨を中心に外側に広がっています。その姿はヨットやマンガのワンビースに出てくる帆かけ船を想像させます。特に広背筋を右写真のように逆さまにすると雄大な帆船となります。図297は帆柱に例えた背部の模型図です。船の帆にも例えられる広背筋・僧帽筋は左右均等でない動作や猫背・反り腰などで大きくバランスを崩します。その結果、帆柱=背骨も崩れていまいます。特に背骨は1本の柱でなく、数多くの骨で構成されていますので、部分的に大きくズレる可能性もあります。
 
 そして広背筋・僧帽筋の崩れを自分でも知る方法があります。それは上向きで固い地面に寝るのです。背中がピッタリと地面に付かないのは、バランスの崩れによって部分的に硬結ができているからです。

 ヨガの行法で一番大切とされているのは「シャバアサナ」として伝えられている上向きで寝るアサナです。ただ上向きで鳴る姿勢をするだけなので、初心者には大切にされません。しかし自分のしているポーズが正しいかどうかを検査する最終ポーズなのです。つまり幾つかのポーズをとった後に上を向いて寝てみると、左右のバランスが整えば地面に付きやすくなるので、自分の身体を調整出来たか否かが判断できるのです。

 インダス文明が興った頃の農民の作業は身体を捻じり、中腰姿勢が多かったようです。家に帰る頃には「へとへと」です。ですから5〜10分くらいの簡単なヨガのポーズをして、上向きで寝れるようにして寝たようです。上向きで寝ると身体が自然と引っ張られて、中腰姿勢で固くなった部分をストレッチして緩めます。また左右に腕を置くことで、大胸筋も伸ばされ、肘を曲げての作業で固くなった腕の筋肉もストレッチされます。さらに背中の筋肉が左右均等に引っ張られることで、日中の捻じった動作の作業から生じた歪を修正するのです。
固い地面でも上向きで寝れるようにするには、上向きで硬くなっている部位をマッサージすれば良いのです。うつ伏せでは出ない硬結もマッサージ出来るのです。


 コロンブスの卵ではありませんが、背中のマッサージはうつ伏せで施術することが当たり前でした。上向きで寝やすくするには、上向き姿勢で生じる部位の硬結によって、背部の緊張が生まれています。 

 広僧筋マッサージをした後に「背中がベッドに付きやすくなっている」ことを確認する必要もあります。さらに腕の拳上をしてもらって軽さがでれば、広背筋・僧帽筋を緩ませたことになります。


 また「上向きで寝やすくなった」ということは「猫背や反り腰の予防になった」ということを示します。正しい寝方が正しい立位姿勢となるからです。



大殿筋マッサージ

   
                     


 広背筋は上の図で白く見える胸腰筋膜から腕に付きます。大殿筋は左の図のように胸腰筋膜を介して大腿の外側に付きます。つまり広背筋と大殿筋は胸腰筋膜という部位を境に、片方は腕へ、もう片方は大腿の外側に筋繊維が走行しているのです。

 この付き方は「く」の字とも「X」とも見ることが出来ます。広僧筋マッサージをしてから大殿筋マッサージをする必要性も考えられると思います。今回は腕の拳上でなく、イスから立ち上がる、階段を昇ることと関係してきます。また正しい立位姿勢もこの大殿筋の調整が必要です。


 大殿筋の筋繊維の走行を考えると、仙骨から大腿の外側にマッサージすることが理解できると思います。

 特に股関節周囲は筋繊維から靭帯に移行する部位なので、大切な部位です。写真のように膝を立てた姿勢で、内転の具合=緊張を見ながら、腸脛靭帯を膝に向かってマッサージし、大殿筋全体をほぐします。

 次の腸腰筋を緩め易くして、股関節に関係する動きを改善してきます。
 



腸腰筋マッサージ

    

              
   
 大腰筋と腸骨筋を一緒にして腸腰筋と呼ぶことがあります。というのはこの二つの筋肉は同じ作用をするからです。その作用とは膝を上に上げる、つまりイスに座っている姿勢や階段で足を上げる際に使う動きです。 

 そして大切なのが、もう一つの作用です。上の図で見られるように大腿骨を固定すると骨盤を前方へ動かす作用をするのです。上向きで寝るとベッドから腰が浮いたように感じることがあると思います。足を真っ直ぐにすることが大腿骨を固定することで、その結果、腸腰筋が硬いと反り腰となり、腰が浮いた感覚となるのです。この感覚が苦しいので膝を立てて寝ます。しかし膝を立てて寝ると疲れるので、横向きになってしまうのです。

 大腰筋は腰の腹側から大腿骨の内側へ、広背筋は腰の背側から腕へ、腸骨筋は腸骨の腹側から大腿の内側へ、大殿筋は腸骨の背側から大腿骨の外側へ。

 このように広背筋・大殿筋・腸腰筋は関連しあって動作・姿勢に影響を与えています。ですから正しい寝方・座り方・立ち方・歩行などに大きく影響を与え、身体の歪に大きく関係します。


 腸腰筋は腸の下に位置するインナーマッスルとして有名です。

 腸の下に位置している腸腰筋にアプローチすることは難しいと言われています。しかし特殊な押圧の掛け方をすれば筋肉は緩み且つ収縮力を回復させます。

 腸腰筋マッサージをした後に股関節屈曲=膝を胸に付ける動作をしてもらい、可動範囲が広がれば、この動きが軽く感じられるようになります。

 この結果で腸腰筋マッサージが出来たことを確認します。もし変化がなければ腸腰筋マッサージではないのです。




SRMの手技の順序(=座位姿勢)

 
首の三方向調整 → 肩関節調整 → 胸腰仙骨部筋マッサージ → 顎関節調整 → 表情筋マッサージ → 舌骨下筋群マッサージ

 首の動きから筋肉の状態を診ることで正しい判断ができるようになります。例えば「首を後ろに回す時に痛い」。この時に痛い部位をマッサージすると原因とは違う部位の施術となってしまいます。右に回して痛い場合は左の胸鎖乳突筋及び右の板状筋・最長筋に問題があります。首の三方向の動きをチェックしながら根本的な原因箇所を絞っていきます。次に首の動きと顎関節は関係が深いので、顎関節に関係するマッサージを施しますが、胸背部の筋肉を調整した後に更に微妙な調整をします。

 肩関節を考える上で五十肩などの肩痛で有名になった「腱板」と呼ばれる4つの筋腱(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)など、肩甲骨から腕に付く筋肉の重要性が再認識されてきました。その他に上腕二頭筋・三頭筋も腕と肩甲骨を結ぶ大切な筋肉なのです。また肩鎖関節も考えると鎖骨の存在も大です。鎖骨と腕・首・頭蓋骨を結ぶ筋肉や大胸筋などの調整も必要になることがあります。このようにして首の三方向調整・肩関節調整が成されると、首・肩・腕の動きがスムースとなって、胸部に位置する筋肉が緩みます。
 
 胸椎は前側にある胸骨と肋骨によって繋がっています。そしてその空間には心臓・肺といった生命と関係する臓器を入れています。そのために外部からの刺激を受けないように、頸部・腰部で吸収しようとします。車の例で説明すると、衝突した時に車の前部が衝撃を吸収するために、へこみ(=凹)やすくなっています。この例と同じく首や腰は損傷を受けやすく、ヘルニアなどの起こる確率は胸部に比べ頸部・腰部の方が断然多くなっています。また胸部の筋肉はインナーマッスルで有名な回旋筋が多く集まっている部位です。この事からも推察されるように、座位での身体の捻じれに関係してきます。前述した二つの調整によって身体が緩むと背部の残っている緊張部位が見えやすくなります。

 胸腰仙骨部筋マッサージとは脊柱起立筋・僧帽筋中部線維・広背筋の起始部の胸腰筋膜・多裂筋・大殿筋・梨状筋などをマッサージします。このマッサージが効果を出すと、胸背部の緊張がほどけ、座位姿勢が安定します。このときにヨガの牡牛のポーズをしてもらうと左右均等になっています。
 
 正しい座位姿勢が出来てから顎関節調整をします。「顎関節の位置のズレが身体に影響を及ぼすのであれば、身体のズレを矯正すれば顎関節のズレも改善に向かう」という仮説を立て立証しています。現実に開口時のズレの減少が顕著に表れます。また咬筋などの咀嚼筋だけでなく、表情筋も顎関節調整の対象としてアプローチします。
 顔面神経麻痺で顎関節症の方を改善した例があります。この場合、麻痺側と健側との左右差から開口に際して正しく楕円形に開くことを阻害してしまうのです。ストレスから表情筋の左右差が出ている人に対しては表情筋マッサージも施し、正しい開口を誘導することで顎関節を調整します。
 また顎関節マッサージでは開口時に前方移動する下顎骨の後ろ側から硬直している筋肉を確認してマッサージすることで、関節円板のズレを最小限に抑える方法も効果を上げています。
 
 耳鳴り・耳詰まりの症状に対しては舌骨下筋マッサージを加味します。オイルを使ってのマッサージで、声を出す・物を飲み込む動作に効果を出します。


*伏臥位姿勢・立位姿勢のマッサージ方法は次回に紹介したいと思います。


 SRMは直接痛みや不快症状が出ている部位を解すのでなく、症状が出ている部位と関係している部位から施術を進めるので、「自分で治ろうとする力」を最大限に活かすことができますので、強い刺激でなく効果を上げることが出来ます。また疼痛発生源と疼痛感受部位との違いも見つけやすいので、治療期間の短縮をすることが出来ます。

正しい位置での運動法・養生法の大切さ。
 院長治療=SRMではマッサージ整体の他に運動法・養生法を指導します。筋肉を正しい位置に戻すと、やじろ兵衛が無理なく立っていられるように、合理的な位置によって「腕が軽い」とか「足が軽い」とかという反応となって出てきます。その位置で収縮・伸展運動をする事で、正しい軌道を脳に覚え込ませます。それは初心者に自転車の乗り方を覚えさせる方法と同じです。荷台をしっかり持ち、自転車を左右にブレさせないようにして走らせる事で、初心者にバランス=軌道を覚え込ませます。その結果、一人で自転車が乗れるようになるのです。そして段々慣れてくると走行中の左右のブレが減り=無駄な力が入らなくなるので、ペダルを踏む力が僅かでも進むようになるのです。膝痛の場合はバランスと無駄な力を入れない事が大切になります。その観点から歩行訓練すると大変喜ばれます。このように筋肉を正しい位置に戻した上で、正しい動作を脳にインプットする事が重要になるのです。
 下の左写真は合気道で学んだ“気”の体験をヨガに取り入れ、指導しているところです。左の写真は”折れない腕”という技で、力だけでない、“気”という感覚から身体のバランスを取る練習をしているところです。腕だけでなく身体全体でも可能となり、腕が「ダラーン」としている状態=リラックスした状態でも身体が棒のように真っ直ぐになるのです。その状態で逆立ちするとあたかも天井から吊り上げられたかのように、前後左右のバランスが取れた逆立ちが可能となるのです。つまり筋肉の正しい位置での逆立ちは首の負担もなく、80才の婦人も逆立ちを可能とした経験があります。
 また下の右の写真は“気”による身体の緩めから足が首の後ろにかけるアサナが短期間に出来るようになったことと、院長の声の音を金属音に変える神秘的な発声法を紹介しています。日本では「ホーミー唱法」が有名ですが、院長のヨガの発声法も二つの音が同時に出る倍音で、「キーン」という高い金属音が出ます。


 


写真をクリックすると大きな記事が見れます。



写真をクリックすると大きな記事が見れます。
“気”という言葉でしか表現できない柔らかい圧による深部マッサージ

 
“気”という言葉は神秘的な要素を多分に含んでいます。しかし科学機器で観測できる範囲で表現すると遠赤外線の一種と言われています。石焼き芋のように、遠赤外線は「深部を温める」という効果があります。また「科学機器では観測できない電磁エネルギーも含んでいる」ということも言われています。その為、植物が日光に含まれる電磁エネルギーからタンパク質を合成するように、「“気”の持つ電磁エネルギーが、細胞レベル・分子レベルで人体に、物質に何らかの影響を与えているのではないか」という研究もされているようです。
 また新体道の青木師範のように、気配をとらえ、相手の動きの前に動くことができる達人もいるのです。今から30年位前の記事では気功治療の際に施術者から患者へと何らかの信号が送られ、脳波が同調現象を起こし、その時にサーモグラフィーで患者の身体に熱が生まれている変化=赤・橙が生じてきた、という報告を読んだことがあります。つまり気功師の脳波と患者の脳波が同一になるとエネルギーの移動が起こり、その結果患者の身体が温まってきたという研究なのです。
 
 今から約40年位前に、ある空手道場で沖縄から来られた達人の逸話を聞いたことがあります。その達人は瓦(かわら)を2枚用意させ、瓦割りの試技をされたそうです。2枚位の瓦であれば、空手家でしたら割る人は多くいますが、その達人は上の瓦は何の傷も付けずに下の瓦だけを粉々に砕いたそうです。

 合気道の開祖である植芝盛平翁の演武も触っているのか触らない程度で、相手は飛んでいくのです。見ている者には分からないのですが、受け手となった高段者の弟子達のダメージは相当なものだったようです。

 SRMでは大腰筋調整という手技があります。腸の下にある大腰筋を緩め、筋肉を正しく収縮させることで、格段に股関節屈曲の可動範囲が広がり、また足が軽くなるのです。施術者がりきんで、力任せにする手技と違いSRMは弱い刺激で深部に影響を与えるのです。今の段階では“気”という表現でなくては説明がつきませんが、弱い刺激で深部にある筋肉に影響を与えることは事実で、上のO脚矯正写真のような筋肉を正しい位置に戻す技を可能とするのです。

 側頭筋マッサージから全身を緩めるSRM体系と、“気”による深部マッサージから顎関節症で大変重要となっています、表面からはマッサージできない外側翼突筋の調整をも可能とする結果が出ています。また耳鳴りに影響を与えている人体で最少の筋肉でもあり、中耳にある”あぶみ骨筋”の調整も可能となるのです。現実にあぶみ骨筋の硬化によって苦しんでおられた耳鳴りの女性も改善されているのです。




参考文献 : 南山堂 日本人体解剖学 金子丑之助著
参考文献 : 動きの解剖学 科学新聞社 Blandine Calais−Germain 著
参考文献 : ボディナ・ナビゲーション・医道の日本社 Andrew Buel著
参考文献 : 目でみる動きの解剖学 大修館書店 ロルフ・ヴィルヘード著
参考文献 : からだのソムリエ 本の泉社  斎藤匡寿著